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福島の食の安全をみんなで体感する「ふくしまごちそう発見ツアー」第3弾!
今年は8月22日~23日に開催されました。真夏の福島で出会った素敵な人、おいしいものをツアーリーダーの向井亜紀がレポートいたします。
今回は、学校法人女子美術大学の皆さんとのコラボツアー!
またまたワクワク、うるうるの連続でした。

高校生と大学生の出会いから
何かが生まれそうな予感
再会に感動! 
交流の積み重ねが福島の力になる

ツアーリーダー&レポーター 向井 亜紀さん

【プロフィール】
埼玉県出身。タレント。テレビ・ラジオ・エッセー執筆・全国での講演会など幅広く活動。
夫は、高田道場代表、元プロレスラー・格闘家の高田延彦。日本女子大学在学中は、生物農芸学科でイネの葉緑体の研究に夢中になっていた元リケジョ。
ふくしまごちそう発見!ツアー第3弾のアンケートはこちら

ツアー1日目レポート

福島市
9:40

ツアーフラッグのお披露目

ツアー初日は、女子美術大学の皆さんの協力で完成した2枚のツアーフラッグのお披露目からスタート!福島ラブたっぷりのフラッグは、1泊2日のツアーの集合写真の度に大活躍しました。

11:20

自家消費野菜等をそのまま測ります

福島県消費生活センターの自家消費野菜等の放射能検査室も訪ねましたよ。福島県では、お米も野菜も放射能を測定し、安全なものだけを出荷しています。こちらでは、家庭菜園で採れたものなどを測定していますが、福島県産の食べ物は安全と分かってきていることもあり、検査に来られる方も減ってきているそうです。
検査も以前は検体1kgをザクザク刻んで測定していました。
が、今は刻まない「非破壊式放射能測定検査装置」を使います。水や土も測れるそうです。結果が出るまで約20分。早くなりましたよね。山菜や野生のキノコのシーズンは、県外からも問い合わせがあるそうです。気になることを聞ける場所があるってうれしいですね。

11:40

渡邊とみ子さんのセミナー&ランチ

最初のおいしいものは、飯舘村※のパワフルかあちゃんこと渡邊とみ子さんのランチです(その前にセミナーを開きました)。震災前から地域起こし活動をしていたとみ子さんは、平成16年に市町村合併ではなく自立を選んだ村のために、仲間と一緒にどちらも食味に優れているジャガイモとカボチャ「イータテベイク」と「いいたて雪っ娘」を生産し、加工・製品化の研究をしていました。間もなく下りるはずのジャガイモの種芋生産許可を心待ちにしていた矢先、大震災と原発事故が起き全村避難を余儀なくされました。それでもとみ子さんたちは、諦めませんでした。世界に通用するジャガイモとカボチャを発信するんだと「かあちゃんの力」を集めて立ち上がり、自分たちで独自の厳しい放射性物質基準値を設けて安全なもの、おいしいものを作り続けてきました。
「丁寧」という言葉を、飯舘あたりでは「までい」と言うのだそうです。小さなちびジャガイモを蒸して味噌をからめた「味噌じゃが」、ジャガイモの漬物床に鶏肉を漬け込んで焼いた「鶏のいも床焼き」、セミナーで世界一安全な農薬物を使用していることを聞いた後の「までい」なランチはどれもすーっごく美味でした。
※飯舘村は、帰還困難区域を除く全域で平成29年3月31日に避難指示が解除されました。

13:10

憧れの桃狩り!!

続いてのおいしいものは、真夏の果実桃です! 吾妻一夫さんの畑では、枝もたわわに実った真っ赤な桃が私たちをまんまるの笑顔で待っていてくれました。生まれて初めてもいだ桃は、甘味と香りが強くて、熟しても実が柔らかくならない品種「川中島」です。赤くて大きな果実がおいしく成長しきった形なんだそう。丸々と実った完熟の桃をガブリと食べる至福~♪
震災後、吾妻さんは2000本の桃の木に高圧ポンプで水をかけて洗い流し、生産者の命と言ってもいいほど大切な畑の表土剥いだそうです。真冬の作業に桃の木が耐え切れず200本ほど枯らしてしまったともおっしゃっていました。吾妻さんの畑の果物から放射能が基準値を超えたことは、ただの一度もないそうです。どんなにつらくても、いつも通り安全でおいしいものを届けてきた吾妻さん。その周りには、若き従業員がいらして明るい未来を感じました。

14:30

桃の選果場

JAふくしま未来西部選果場で桃の選果も見学しました。たくさんの桃が、コンベアの上でサイズ分けされていく様子が可愛すぎて見とれてしまいました。光センサーで色や糖度などの品質を統一していることも知りました。人と機械の絶妙なコラボに感動していると、女子美術大学の皆さんは、高々と積み上げられた赤いコンテナタワーにも「インスタ映えする!」と反応していて、さすが目の付け所が違うな~と思いました。


平成29年度(29年産)農林水産物の放射線物質検査結果
(平成29年10月31日現在)
基準値内の作物の割合
玄米 5,769,615/5,769,615点(100%)
野菜・果物 2,409/2,410点(99.9%)
郡山市郡山市
16:30

お湯もお料理も最高です!!

初日の締めは、磐梯熱海温泉ホテル華の湯でした。齋藤正大総料理長とのトークセッションも盛り上がりました。華の湯が復興工事で働く皆さんの宿泊施設となったとき、齋藤総料理長は「働く皆さんの明日のために、しっかりとした料理を作ろう」と決めました。「食べる人に喜んでもらいたい」と思う人が育てる野菜は間違いないと、自ら畑に出向き生産者の方々と信頼関係を築きながら、安全性を確認した食材で身体に優しいお料理を作り続けました。「地産地消が信条。食べた後に体が温かくなるような、疲れが軽くなって明るい未来を描けるような料理じゃないと意味がない」と話す齋藤総料理長。
お待ちかねの夕食は、「えごま豆富」「山独活たまり漬けと鰊の山椒漬け」「霜降り馬刺し」「麓山高原豚の陶板焼き」など、地元の食材たっぷりの献立でみんな大満足。
夜は弱アルカリ性の温泉につかり翌朝はお肌はつるつる!

ツアー2日目レポート

会津坂下町会津坂下町
9:30

会津農林高校&会津伝統野菜

2日目は、一路会津へ。会津伝統野菜を復活させた長谷川純一さんと福島県立会津農林高等学校の江川篤先生と農業園芸科の皆さんの取り組みを伺いました。高校生の活動は圧巻でした。会津伝統野菜の栽培と栄養面でのデータ分析、加工品の研究、販路開拓、イベント参画、シードバンク、GAP取得を目指している話も含めて質の高さに女子美大生も私たちも感動することしきり。特にシードバンクの話は、元リケジョ・生物農芸学科の向井としては血が騒ぎました。是非とも残していかなければなりませんね。昼食の前にみんなで種を取るために大きく育てた余蒔胡瓜を水に沈めて種取り体験をしたのですが、これも最高に楽しかった。一粒万倍、まさに伝統を受け継ぐ農業です

11:45

山際博美シェフのランチ

2日目のおいしいものは、会津伝統野菜を使った山際博美シェフのバイキングランチでした。福島県内の旅館やホテルの地産地消メニュー開発に関わったり、農林水産物の理解促進に貢献したり八面六臂の大活躍を続けるシェフは、予算が少ない、アイディアが出てこないなど困っている人の声を聞くと使命感に燃えてしまうのだそうです。過疎地域の活性化、添加物を使うことなく長期保存を可能にする技術など、自らのアイディアを惜しみなく提供しながら奇跡を起こしてきました。
会津伝統野菜をふんだんに使った奇跡のようなランチは、柔らかな食感の余蒔胡瓜(よまききゅうり)のサラダスパゲッティー、緻密な肉質が魅力の会津丸茄子の味噌炒め、慶徳玉葱のピクルス、会津コシヒカリのおにぎりからデザートまで、お腹いっぱいいただきましたよ。
さらにこの日は、会津農林高等学校森林環境科の生徒さんたちもお手伝い。煙にむせたりしながら炭火でじっくり焼いて旨味を引き出した会津伝統野菜を堪能させてくださいました。

13:30

発泡酒にポワ~ン

ツアーの締めに訪ねたのは1790年創業、喜多方市の大和川酒造です。福島県は、全国新酒鑑評会金賞受賞数5年連続日本一という日本屈指の酒どころ。飯豊連峰の万年雪が伏流水となって湧き出る仕込み水が自由に飲める酒蔵で、発泡酒を試飲させていただきました。優しくほぐれる感じの発泡酒が身体を巡ると、ふんわりいい気持ちに包まれました。

若い力のコラボに期待!!

振り返ると今回は、高校生に出会えたことがすごく大きかったように思います。みんな真っすぐ純粋な気持ちで農業に打ち込んでいました。その背景には震災以降、ツアーで出会った皆さんも含め周りの大人たちがピンチのときこそ誠実に、素敵な生き方を続けてきたことがあるなあと思います。高校生と女子美術大学の皆さんが出会うことで育まれていくものが未来を照らすそんな予感もしました。会津伝統野菜を復活させた長谷川さんに再会できたことも収穫でした。長谷川さんとお会いするのは今回で2度目です。何度もお会いできると、どんどん打ち解けて「あの時はこうだったけど、今はこうなんです」と話も弾みますよね。今福島に必要なことって、こうした交流の積み重ねなのではと思いました。私たち、これからも何度も福島を訪ねて、親戚のように付き合っていきたいと思っています。皆さん、またお会いしましょう!

ツアー参加者の感想

  • 東京都杉並区/学校法人女子美術大学常務理事

    五十嵐義明さん

    飯舘村の渡邊とみ子さんが「復興」を「福幸」とおっしゃっていたことが印象に残っています。強い意志を感じましたね。美術を学ぶものとして、自分の目で見たことをどう感じるか、感性を研ぎ澄ませて向き合うことは大切なこと。生産者の皆さんの艱難辛苦(かんなんしんく)を学生たちが心の深いところで受け止めていたことには光を感じました。大学人として我々も福島の文化を伝えていく一翼になるような応援をしていきたいと思いました。

  • 神奈川県横浜市/主婦

    高玉由紀さん

    夫が福島出身なので福島のことは知っているつもりでした。でも、一面でしか見てなかったことが分かりました。頼もしかったのは、若い人たちの存在です。桃畑で生き生きと働く青年、「おじいちゃんの畑を手伝いたい」「両親の役に立ちたい」という高校生たちが育てた果物や野菜から愛情があふれ出てました。福島の未来は明るいと思いました。彼らの活躍をたくさんの人に伝えることをこれからの私のミッションにします。

  • 東京都文京区/大学職員

    吉井久美さん

    東京で暮らしていると「福島は安全です」「安心です」とか、伝わってくる情報の幅がとても狭いことが福島に来てわかりました。福島は、郷土料理をはじめとする地産地消メニューが豊富。会津伝統野菜を使った給食など「食」に関する取り組みも素晴らしかったし、何よりおいしかった。これは、福島に来たからこそわかった収穫でした。地酒の試飲も楽しかったです。辛口でスッキリ爽やか。あんぽ柿のお酒も美味でした。

  • 神奈川県平塚市/学校法人女子美術大学学生

    三浦七海さん

    理不尽なことに対して立ち向かってきた皆さんのお話を聞いて強いなあと思いました。放射性物質に関する安全性などの情報発信は福島への愛情でもあるし、私たち消費者への愛情でもあるなとも思いました。おいしそうなものを作りそうなふっくらしなやかな手のとみ子さん、味噌汁が好きな齋藤総料理長など、たくさんの思い出ができました。余蒔胡瓜とか会津伝統野菜のレシピがネットで見られたらぜひ作ってみたいです。

    三浦さんが描いたメモイラスト(クリックで拡大)

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